⚙️ 誰も触らなくてよい設定
2026年10月12日、Google Ads は広告主のウェブサイトからプロモーションのオファーを抽出し、対象となるキャンペーンにプロモーションアセットとして自動で付与し始めます。この設定はアカウント単位でデフォルトでオンになり、Google はアカウントを自動的に登録します。停止したい広告主は、自分でそのスイッチを探しに行かなければなりません。
この変更を伝えるメールは「一部の広告主」に届いたとされ、Search Engine Roundtable が2026年10月5日に全文を公開しました。その後の報道は仕組みの説明に集中しています。立ち止まって読む価値があるのは、その表示を誰が負うのかという点です。
Google 自身のヘルプ文書は、ウェブサイト上のプロモーション情報を最新に保つことと、広告ポリシーを遵守することを広告主に求めています。つまり広告主は、自分が書いておらず、承認もしておらず、配信前に目にするとも限らない文言について責任を負います。
これは新しい形のエクスポージャーです。そして中国でのキャンペーンを計画している立場から見ると、よく知った形が逆向きに走っているものでもあります。詳細は後述します。
📄 Google が9月に文書化したこと、10月のメールが加えたこと
この機能自体は新しいものではありません。Google は2026年9月7日に自動プロモーションのヘルプ文書を公開しています。そのヘルプ記事には今も設定をオンにする手順が残っており、最後の選択肢は「オン(推奨)」と表示されています。少なくとも一部のアカウントでは、これまで能動的に選ばないとオンにならなかったことを示唆します。10月のメールが変えたのは、デフォルトと日付です。
| 項目 | 適用される内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 2026年10月12日からのデフォルト | オン、オプトアウト方式 | 広告主向けメール(10月5日) |
| 対象キャンペーン | ロケーションアセットが連携され、手動プロモーションがない検索キャンペーンと PMax | ヘルプ記事とメール |
| オファーの出所 | 広告主ウェブサイトのランディングページ上で見つかったプロモーション | ヘルプ記事とメール |
| 配信期間 | プロモーション1件あたり24時間未満。サイト上でオファーが確認できる間だけ再有効化 | ヘルプ記事 |
| 停止方法 | アセット → アカウント単位の自動アセット → 詳細設定 → 自動プロモーションをオフ | ヘルプ記事とメール |
メールが確定させていない点が2つあります。対象国も対象言語も示されておらず、すべての広告主に届いたわけでもありません。メールを受け取っていないことは、対象外である証拠にはなりません。Google のヘルプ文書も機能を一般論として説明しており、市場ごとの除外は示していません。
Google は、すでに設定をオンにしていたアカウントがどれだけあるのか、また以前にオフを選んだアカウントが10月12日以降もその選択を保持するのかについても、何も述べていません。確実にする方法は、当日以降に自分のアカウントで設定を確認することだけです。
🔍 露出を決める4つの細部
対象範囲は見出しから想像するより狭い。 3つの条件がそろう必要があります。有効な検索キャンペーンまたは PMax であること、ロケーションアセットが連携されていること、そのキャンペーンで手動プロモーションが現在動いていないことです。Google のヘルプ記事はローカル広告キャンペーンも含まれるとしています。すでに手動プロモーションを動かしているキャンペーンは対象外になります。アカウント内にロケーションアセットを連携したキャンペーンが1つもなければ、この機能は適用されません。
プロモーション1件の配信は24時間未満です。 その後も再有効化される可能性はありますが、オファーがウェブサイト上で見え続けていると Google のシステムが確認できている間だけです。
Google はまだページから開始日と終了日を読み取れません。 ヘルプ記事は、プロモーションの開始日と終了日を抽出できるようになれば変わるとしています。それまでは、オファーが有効かどうかの判定基準は「オファーがまだ見えるかどうか」です。セール終了後も残ったバナーは、機械にとっては有効なオファーとして読まれます。シグナルになるのは広告主自身のウェブページです。
表示回数ゼロのアセットはレポートに出ません。 プロモーションアセットは配信が始まって初めてアセット画面に現れます。Google が付与したものの一度も表示されなかったオファーは、記録を残しません。監査できるのは配信された分だけで、生成された分ではありません。
Google はまだページからプロモーションの開始日と終了日を読み取れません。したがって、オファーが有効かどうかの判定基準は「オファーがまだ見えるかどうか」です。セール終了後も残ったバナーは、機械にとっては有効なオファーとして読まれます。10月12日より前に、自社サイトをパーセント記号、「オフ」「セール」「無料」「割引」といった語で検索し、当てはまらないものを取り下げるか明確に終了させてください。
⚖️ その表示を負うのは誰か
ここから先は、効率化の話ではなくなります。
プロモーションアセットは価格と条件の表明であり、広告主の名義で公開され、広告主が書いていない広告に載ります。英国における誤認を招く商行為の上限は、Osborne Clarke の分析によれば全世界売上高の10%の制裁金です。これは上限であり平均的な制裁額ではありませんが、誤った価格表示がどの程度の規模で扱われるかを示します。
見落としやすい帰結が1つあります。ブランドが最低広告価格(MAP)契約の下で小売店を通じて流通させている場合、自動抽出された割引がその契約に抵触し得ます。流布している例は、サイト上の10%オフのバナーが4,200ドルの商品を約3,780ドルの表示に変えるというものです。これは仮定の説明であり、実際に起きた事例ではありません。ここでは仕組みを示すために挙げており、発生を主張するものではありません。
Google はまた、プロモーションのクリックが低く見えてもキャンペーン全体の成果は「大きく改善することが多い」としています。ヘルプページにその根拠となる数値はありません。第三者によるクリック率への影響の推計は、公表元によっておよそ10%から20%まで幅があります。これだけ幅のある数字が一次情報なしに流通するとき、信頼すべきは自分のアカウントの実数です。
✅ 3つの対応と、1つの監査
オンにしたままにして、ウェブサイトを整える。 実務上の制御点はページそのものです。見えている期限切れオファーはすべて有効な入力になります。自社サイトを「オフ」「セール」「無料」「特典」「割引」といった語とパーセント記号で検索し、当てはまらないものを取り下げるか明確に終了させてください。オファーの条件は小さな字ではなく、見出しの割引と同じ文の中に置いてください。抽出は目立つ部分を読むからです。
手動プロモーションを遮断装置として使う。 手動プロモーションを動かしているキャンペーンは、自動システムの対象外になります。文言を正確に固定したいキャンペーンでは、手動で入れたプロモーションアセットが文言と日付を広告主に戻し、そのキャンペーンから自動化を遠ざけます。同時に、誰かがそのアセットを最新に保ち続ける必要も生じます。
アカウント単位でオフにする。 キャンペーン単位の切り替えはありません。自動プロモーションをオフにするのはアカウント全体の1つの判断であり、後から見直すこともできます。
そして監査する。 アセット画面でアセットタイプをプロモーションに絞り込みます。Google が追加したアセットには「追加元」列に「Google AI」と表示され、カーソルを合わせると出所の詳細が見えます。確認は1回ではなく、変更の1週間後にも行ってください。ただし上述の限界を忘れないでください。一度も配信されなかったものは一覧に出ません。
🌏 同じ判断が、中国では逆に下されている
ここからが、中国をロードマップに置いている場合に関係する部分です。
Google のやり方は、自動化を先に走らせ、責任を後から広告主に残します。中国の広告は逆の順序で動きます。クリエイティブは配信前に、業種ごとに許容される表現と照合され、届出と審査を経ます。拒否は事前の警告なしに提出時に届きます。他の市場で成果を出した表現が、内容ではなく言い回しの理由で中国では通らないことがあります。
2つの制度は、同じ機能を工程の異なる位置に置きます。
| 観点 | Google Ads(10月12日以降) | 中国(百度など) |
|---|---|---|
| 文言を書くのは誰か | プラットフォームが自社サイトを読んで生成 | 広告主または代理店 |
| いつ検査されるか | 配信開始後、しかも表示を獲得した場合のみ | 配信前に、プラットフォームが審査 |
| デフォルトの姿勢 | オン、オプトアウト方式 | 承認されるまで公開されない |
| 責任を負うのは誰か | 広告主 | 広告主 |
実務上の帰結は、1つのグローバルなクリエイティブ統制プロセスが両方には通用しないということです。プラットフォームの自動化を信頼することに慣れたチームは、事前審査への投資を体系的に怠ります。そして事前審査こそが、中国のキャンペーンが予定どおり立ち上がるかを決めます。逆に、まず届出をする習慣のあるチームにとって、Google のデフォルトは危険ではなく煩わしいものに見えます。
どちらの姿勢も持ち運びできません。それがこの件の結論です。
🏢 Baidu PPC Pro の役割
この分岐の中国側には4つの前提があり、Google がデフォルトを変えてもそのどれも変わりません。
中国法人なしでのアカウント開設。 百度は広告アカウントの開設に中国の営業許可証を求めます。海外ブランドの多くはこれを持たず、取得には数か月かかります。Baidu PPC Pro はこれなしでアカウントを開設し運用します。中国のオークションに参加できるかどうかを決めるのは、この工程です。
ローカルの語彙から作るキーワード設計。 中国の消費者は、商品カテゴリの現地用語、機能の現地用語、解決したい課題を表す現地の言い回しで検索します。翻訳したキーワードリストは人には届きますが、その人と一致しません。最も高い意図を持つ比較クエリは、観測された検索行動から作る必要があります。
最初から審査を通るクリエイティブ。 業種ごとの表現設計、健康や効能に関する審査に耐える言い回し、制限のある店舗説明表現の正しい扱いを、拒否された後ではなく提出前に片付けます。
検索に答えるランディングページ。 利用者が直前に打ち込んだ比較を解消する中国語ページです。翻訳と分かるページへの流入は、すでに支払い済みで失われた流入です。
📅 10月12日以降に追うべきこと、出典について
デフォルトが効き始めた後に追う価値があるのは3点です。
- 対象範囲が広がるかどうか。Google 自身の表現は、この機能が「現時点では」ロケーションアセット付きの検索キャンペーンと PMax に適用されるというもので、余地を残しています。
- プロモーションの開始日と終了日の自動抽出が実装されるかどうか。この1点が実現すれば、期限切れオファーの問題は消えます。
- すでにオフを選んでいたアカウントがその設定を保持するかどうか。Google は述べていません。
出典について:
- この変更は2026年10月5日に Search Engine Roundtable が公開したメールで告知され、「一部の広告主」に届いたと報じられています。機能自体は Google のヘルプ記事「About automated promotions」で2026年9月7日に文書化されています。
- ヘルプ記事に書かれていることと、10月のメールが加えたことを分ける扱いは、両者を区別している Relevant Audience の整理に従っています。
- 最低広告価格の例は Ecommerce Paradise が公開した仮定の説明であり、実際に起きた事例ではありません。
- 英国の売上高比率は Osborne Clarke が引用した法定の上限であり、実際に科された制裁額ではありません。
- クリック率への影響に関する第三者の推計は公表元によって異なり、一次情報は公開されていません。本文では特定の数値を事実として主張していません。
要点
- 10月12日からアカウント単位の設定はデフォルトでオンになり、広告主は自分が書いても承認してもいない文言について責任を負い続けます。
- Google はまだプロモーションの開始日と終了日を読み取れないため、セール終了後に残ったバナーは有効なオファーとして読まれます。シグナルになるのは自社のウェブサイトです。
- 対象となるキャンペーンにはロケーションアセットの連携が必要で、手動プロモーションが動いていてはなりません。停止できるのはアカウント単位のスイッチだけです。
- 中国では順序が逆です。クリエイティブは配信前に届出と審査を経ます。1つのグローバルな統制プロセスは両方には通用しません。